5.作品を書くということ

処女作が出来上がりました。正直、つい最近まで特別な感慨はありませんでした。でも、実際に本の形になって現れた時、胸がいっぱいになりました。午前10時・淡路町のスターバックスで泣きながら自著を読みました。周りから見たら、リストラされた、しがないサラリーマンに見えたと思います。独立したことを両親に報告していなかったので、その足で神奈川の実家に戻りました。家に入った途端に「不景気だから大変だねぇ」などと言われたので、どこで話を切り出すか迷いましたが、くずきりを食べた瞬間に「オレ、独立することになった」と言っておもむろに本を差し出すと、両親は素直に喜んでくれました。「びっくりした?」と聞くと「別に」と言われました。拍子抜けしたと同時に胸のつかえが取れ、また光がさしたように感じられました。それと同時に神社の御札があり得ないタイミングで実家に届けられ、小さな神棚に私の処女作と御札が奉納されました。きっと、おじいちゃんやおばあちゃんたちも、喜んでくれたのです。私にとって作品を書くということは魂そのものなのだと改めて思いました。言葉の力をまた実感した一日でした。