7.DESIRE BOB DYLAN

ディランはここ十年ほど、常にヘビー・ローテーションの音楽だった。でも、ディラン・フアンには悪いけど、ぼくの好きなディランは『Nashville Skyline』であり、おそらく多くの人に否定されるアルバムである。でも、ぼくにとってのディランとは、あくまで事故直後に録ったヘロヘロの生気のない独りのアーティストなのである。ぼくは折にふれて『Nashville Skyline』を聴き、見たこともないアメリカの大地で寝そべりながら、ぼっーとしている自分をイメージしていた。常に素になれる、自分を感じられるこのアルバムこそ、史上稀な音楽史の奇跡だと思うのだ。

ディランのアルバムはほとんど聴いているのだが、なぜか避けていたアルバムがあった。それが『Desire』であった。しかし、今ではこのアルバムが自分のテーマ曲のように毎日流れている。独立後のプレッシャーは並大抵ではなく、『Desire』くらいの圧倒的なパワーと商売っけがある音楽でないと、心が潰れそうになる。
1曲目のHurricane と3曲目のMozambiqueは、身震いするほど良い曲です。ディランを聴いたことがない人には『Desire』は入りやすくオススメです。