2009.6.16 沖データ トップクリエイターにきく!

沖データ トップクリエイターにきく!
http://www.okidata.co.jp/creators/topcreator/index.html

大変名誉なことですが、日本のトップクリエイターの一人として取材記事が掲載されています。また、このお仕事で沖データさんとのご縁があり、メールマガジンでの連載も始まることが決定いたしました。なんか、おこがましい感じもするのですが、皆様よろしかったら覗いてみてください。

 

小宮一慶×川辺秀美「読書力」対談

洋泉社のHPで小宮一慶さんとの「読書力」対談の原稿が読めます。とてもよい感じで仕上がっていると思いますので、どうぞ読んでみてください。また、以下は、未発表の「読書」についての原稿です。というと、聞こえはいいですがボツ原稿です。でも、捨てるにはもったいないレベルなので、こちらも併せて読んでいただけると幸いです。

ファイルをダウンロード
http://www.yosensha.co.jp/book/b4056.html


●読書とはマラソンである

本読むのって面倒くさいですよね。仕事の原稿を読む時。しかも、その著者が書いた原稿がくそ面白くもなく、何の新規性もない時。たんなる偶然の流行で売れたベストセラーを読む時。それが知り合いの作家だった時。二日酔いで最悪なのにやらなければいけないゲラの校正の時。
気が付いてみたら、すべて編集という仕事の時でした。でも、それ以外にもまだまだあります。知人が薦めてくれたミステリーを読む時。献本された本を読む時。図書館のシーンとしずまりかえった悪い空気の中で読む時。タバコの臭いが充満する沈むソファーで読む時。冷房が効き過ぎる窓のない喫茶店で読む時。
いずれにせよ、本を読む行為は退屈だったり眠かったりイライラしたりするものです。だから、みなさんが今まであまり本を読んでこなかったり、縁がなかったり、面白くないという気持ちは本当によくわかるのです。だって、今まで13年間100冊以上も作ってきた書籍編集者が言うのですから、間違いないですよ。
こんなことを冒頭に話したのには、理由があります。読書の効用とか効果とか、もくしは価値創造とか知恵とか、成功とか動機付けとか、勇気とか元気とか、娯楽とか遊戯とか、みなさんが求めているものがあるわけですが、そうあせらず、でも、もたもたもせず、やっていきたいのです。
ここで話す読書論は、今まで学校教育や社会で教えられてこなかったことです。私自身も、もちろん教わってきたわけではありません。編集者として試行錯誤した経験の中から整理したものです。科学的に証明されたことではありませんが、実践的な内容であることは間違いありません。
極論すれば、あらゆる階層のあらゆるジャンルの本をより多く読んだ方は、ビジネスでも人生でも高い確率で成功を収めるでしょう。というのも、私たちに突出した才能がない限り、知恵で人生を切り抜ける必要があるからです。知恵とは、そもそも情報のインプットをして、それが心を通して醸成され、アウトプットされたものです。つまり、知恵をつくるためには情報を「入」れる、という作業がどうしても必要なのです。そして、その知恵に至るには思考力が必要です。思考力の素は、言葉の重層性です。ですから、まずは「言葉」を入れる必要があるのです。ということは、読書には「多読」というコンセプトがどうしても必要になります。
巷では、速読術が隆盛しています。速読術を取り入れている、ある経営者は年間300冊~500冊は読むと言います。絶句です。正直、このレベルですと、我々プロ並みかそれ以上の情報量です。社長業をやりながらの凄まじい読書量は、圧巻です。でも、安心してください。年間300冊~500冊を読む必要はありません。例えて言うならば、フルマラソンを3回走ってゴールするような曲芸的なレベルだからです。
一般人にとっては、年間120冊がベストです。それ以下でも以上でもありません。これにはきちんとした理由があります。その理由は後でお話しいたします。
本書では、「読書とはマラソンである」と定義します。マラソンですから、走行距離は42.195kmで、それを決められた時間内に走ることです。先ほど、年間120冊を読めばいいと言いましたが、月に直すと10冊です。どうですか? なんとか読めそうな気がしてきましたか? 慣れるまではかなり大変だと思いますが、大丈夫です。異常にあきっぽくって何も続けることができない私でさえ、やれたことですから。
「読書とはマラソンである」と思いついたのは、北京オリンピックの女子マラソンで野口みずき選手が辞退するニュースがかけめぐった2008年8月13日でした。42.195kmを完走するためには、事前の準備、体調管理、戦略、ペース配分、心理戦、当日の気候、シューズの選択、様々な要素が絡み合います。野口さんのような超一流のアスリートでさえ調整に失敗することがあるのです。ですから、その不確定かつ偶発的な要素を織り込みつつ、最適な自分のペースを保つことが必要なのです。ですから、1ヵ月で成果がいきなり出るようなものではありませんし、即効性を期待できるものでもありません。
ただし、1年、2年と継続することができれば、思いのほか、素晴らしい現実が待っています。私は現在、著述業、編集業のプロですが、それでも日々読書というもののパワーを感じます。過去に書いた偉大な先達たちの言葉に触れるたびに、私の心の底にある未知なるパワーが、また一つ現実になるのです。そして、まさに本書は、私の読書遍歴が現実化し物体になったものなのです。